「4004」は現代文明に
一大革命もたらした記念碑的産物です。

現在パソコンのCPU(中央演算処理機構)はIntel社では Pentium や Core 2 Duo を経て、 Core i7 プロセッサーが主役になっています。 これらのプロセッサーの源流は、紛れもなく、1971年3月に開発成功した MPU「4004」です。 「4004」は、電卓開発競争の渦中で、日本のビジコン㈱の嶋正利氏が着想し、創業から日の浅いインテル社と約2年がかりで製品化されたものです。


インテルのムーアの法則(インテル博物館から引用)

1971年3月

4004
2008年11月

新世代
プロセッサ
Core i7
2011年1月

第2世代
Core
ファミリー
2012年4月

第3世代
Core
ファミリー
2013年8月

第4世代
Core
ファミリー
2015年1月

第5世代
Core
ファミリー

電子卓上計算機の分野で、オール真空管式の第1号機 ANITA-MK 8が発売されたのが1961年10月のイギリス。 そして、オールトランジスタ式の第1号電卓 Sharp Compet CS-10A が発売されたのが1964年7月の日本、その定価は535,000円 ( 当時の物価 : 学卒初任給・21,200円、ざるそば・50円、ラーメン・60円、コーヒー・70円、週刊誌・50円、新聞購読料・450円 )。


パソコン世界標準機 「IBM 5150」がアメリカで登場したのが 1981年8月12日。 ただし、日本語には非対応だった。 日本語処理搭載のIBM5550が日本で発売されたのが1983年3月15日。 NECが、99 × 99 = 9801 ・・・ パソコンの将来の無限発展を期して、PC-9801(16ビット機)を発売したのが1982年10月、そして富士通がパソコン「FM-8」を発表したのが1981年5月。 ・・・・・。 やがて、2008年には、マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長が巨万の富を手中に現役引退。


私事ながら、「4004」出現のころ、私は30代半ばで、クスダ事務機株式会社(シャープ電卓の総発売元)に勤務し、激しい電卓販売競争の渦中にいました。 パソコンの登場も、その前進のマイコン時代から推移を追い続けていました。 日本に登場したパソコン IBM5550 は日常業務で使用し、エクセルの前身のマルチプランを駆使しました。 4004関連事象を人一倍身近に感じる所以です。



この関連で、
日本の「嶋正利」のことが忘れられない。

「嶋正利の4004」が無ければ、今日のマイクロソフトの隆盛も、パソコンの普及も、インターネットの隆盛も実現しなかっただろうと思います。

「4004」が起爆剤となり、様々の種類のプロセッサーが急速に誕生し、人類のあらゆる分野の活動に目覚ましい「展開」と「速度」をもたらしました。

嶋正利の「4004」・「8080」・「Z80」・「Z8000」の人類貢献は、中村修二氏の「青色発光ダイオード」・梶田隆章氏の「ニュートリノ振動」・大村智氏の「イベルメクチン」の人類貢献に遜色なく、正にノーベル賞級だと思います。


電子情報通信学会誌 1999年10月号
マイクロプロセッサの25年
1999/10/01 by 嶋 正利

世界初のマイクロプロセッサ「4004」を始め、「8080」、「Z80」、「Z8000」などの開発を手掛けた嶋正利氏の手記。


嶋正利の
プロセッサ温故知新

嶋正利氏は、2006年5月から2007年7月にかけて日経コンピュータ社のWEBサイトに、マイクロプロセッサー開発に関連する記事を数多く執筆・掲載されている。

マイクロプロセッサがもたらした社会と経済の変化 (2006/03/08)

米国の技術者に学ぶ開発に必要な “体力” と仕事の進め方 (2006/04/20)

次世代64ビット・プロセッサとWindows CCSに期待---Grid World 2006を見学して (2006/05/19)


◆ 私とマイクロプロセッサ ◆ 
by 嶋正利
  1. 電動計算器の時代から電子計算機の時代へ (2006/05/02)
  2. 「ああ,これがアメリカだ!」 (2006/05/11)
  3. 米国滞在で目覚めたこと (2006/05/29)
  4. 開発での連続ホームランは難しい (2006/06/08)
  5. 家庭的だが明確な将来像を持っていた創立2年目のIntel (2006/06/30)
  6. 個性的なアイデアをはぐくむヨーロッパ (2006/07/11)
  7. 8080開発に向けて3度目の渡米 (2006/07/24)


◆ 時代を切り拓いた技術と
      システム構築技術の進展 ◆ 
by 嶋正利
  1. 接合型トランジスタにより「回路の時代」が幕を開けた (2007/03/20)
  2. シリコン・プレーナ集積回路の開発により「論理の時代」へ進展 (2007/03/22)
  3. 世界初のマイクロプロセッサ「4004」により「プログラムの時代」が到来 (2007/03/27)
  4. ビジネス向けパソコン「ThePC」の開発により「OSとGUIの時代」が登場 (2007/03/29)
  5. WWW(World Wide Web)とJava言語により「インターネットと言語の時代」が到来 (2007/04/03)
  6. マルチコア搭載のPower4により「並列処理の時代」が到来 (2007/04/05)


◆ 世界初のCPU「4004」開発回顧録 ◆ 
by 嶋正利
  1. それは電卓の価格競争から始まった (2006/12/22)
  2. プログラム論理方式を採用したプリンタ付きIC電卓の開発に成功 (2007/04/10)
  3. 電卓にも使える汎用LSIのアーキテクチャを決定 (2007/04/18)
  4. インテルと交渉開始するも,2カ月で暗礁に (2007/04/26)
  5. 世界初のマイクロプロセッサ4004の産声 (2007/05/08)
  6. 本当の開発の仕事と交渉が始まった (2007/05/10)
  7. 守勢から攻勢へ (2007/05/15)
  8. 仕様の最終検討と,図入り製品機能仕様書と製品設計計画案の作成,そして帰国 (2007/06/05)
  9. 発注者がCPU「4004」の論理設計の担当者となった (2007/06/07)
  10. CPU「4004」の詳細な論理設計を開始 (2007/06/12)
  11. CPU「4004」の設計終了 (2007/06/19)
  12. CPU「4004」チップの完成 (2007/07/10)
  13. CPU「4004」を使ったプリンタ付き電卓の開発 (2007/07/17)
  14. CPU「4004」を使ったプリンタ付き電卓の開発終了 (2007/07/24)
  15. 連載のおわりにあたって,そして8080開発への旅立ち (2007/07/31)


▼ 関連リンク ▼


インテルのホームページ


◆ マイクロプロセッサ
4004 図鑑 ◆



なお、マイクロプロセッサー/CPU/パソコンの進化をいろいろ振り返るとき、「@関西人」さんの WEBサイト 「超高層ビルとパソコンの歴史」が参考になり、興味深いです。



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電卓博物館
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電卓戦争
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人物伝:
◆ 嶋 正利 ◆
(しままさとし)



◆ ビジコン株式会社◆



◆ 日経エレが目撃した
電子産業・歴史の現場 ◆
【電子産業史】1971年:世界初のマイクロプロセサ「4004」: 蓄積プログラム方式の採用で,新時代開く
by 日経BP半導体リサーチ



◆ インテル社の公式ページからの引用 ◆

  • 「インテルは、4004の意匠権と販売権を ビジコン社 から $60,000で買い取りました。この後しばらくして ビジコン社 は倒産しました。10年もしないうちにインテルのマイクロプロセッサは、電球、電話、飛行機の発明と肩を並べるアメリカ技術史上最高の発明の1つとして賞賛されるようになりました。」



2006/10/06 初稿 ・ 2007/11/04 改訂 ・ 2014/10/21 三訂 ・ 2016/02/04 四訂

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